黄色いライトは、独特の存在感と目を引くカラーリングで、今も一部のドライバーに根強い人気があります。
とはいえ、その色味が法律や保安基準に抵触するかもしれないと感じて、気になっている方もいるかもしれません。
特に後付けの黄色バルブやLEDに交換した場合、実際に車検に通らなかったり、警察に止められたという報告もあるのが現実です。
しかし一方で、「年式や車種によっては黄色いヘッドライトが正式に認められていた」ケースも存在し、一概に違反とは言い切れない状況もあります。
この記事では、黄色いヘッドライトがどのような条件で違反とされるのか、逆に認められるケースはどんな例なのかを、保安基準や制度の観点からわかりやすく解説していきます。
「自分の車は大丈夫なのか?」と気になる方は、記事を読み進めることで判断の目安がきっと見えてくるはずです。
黄色いヘッドライトは違反になる?

登録年月によって黄色バルブが違反になるかどうかが分かれる
2006年1月1日(平成18年)以降に製造または登録された車は、ヘッドライトの色が白色に限定されています。
これは、視認性の確保や対向車への配慮を目的として、保安基準に明記されたものです。
一方、それ以前の車両については淡黄色も認められていたため、現在でも古い車であれば黄色バルブが合法となる場合があります。
重要なのは「その車がいつ登録されたか」で判断されるという点です。
まずは車検証の「初度登録年月日」を確認し、自分の車が現行の保安基準の対象にあたるかどうかをチェックすることが大切です。
ヘッドライトが黄色だと違反になる理由
黄色いヘッドライトは個性的な印象を与えられますが、現行の基準は視認性の統一と国際整合の観点から白に統一されています。
かつては黄色い光は、雨や霧などの悪天候時に視認性が高いと考えられていました。
しかし現在では、光の色よりも、どのように道路を照らすかという「配光設計」や光量のほうが、視界の確保に与える影響が大きいとされています。
こうした考え方の変化に加え、世界的な基準との歩調を合わせる動きも背景にあり、日本の保安基準でもヘッドライトの色は白に統一されるようになりました。
フォグランプの黄色は違反ではないの?

フォグランプは「白または淡黄色」が認められている
フォグランプはヘッドライトとは役割が異なり、近距離を照らす補助灯として設計されています。
そのため、保安基準では現在も白色または淡黄色が認められており、黄色バルブを装着すること自体は違反ではなく、車検にも適合します。
ただし、光軸を上向きにしたり、ヘッドライト代わりに使用すると整備不良と見なされる可能性があるため注意が必要です。
フォグランプ選びで注意すべきポイント
市販のバルブには「保安基準適合」や「車検対応」と明記された製品が多く出回っていますが、すべてが安心とは限りません。
中には発色が青白く、白色との判別が難しいものも存在します。
見た目やパッケージの表示に頼らず、実際の発光色や配光が保安基準に適合しているかを確認することが大切です。
表示はあくまで目安としつつ、最終的には実物の状態を自分の目でしっかり確かめて選ぶことが重要です。
違反時の罰則とリスクを確認しておこう

違反点数・反則金の内容
ヘッドライトの色が保安基準に適合していない場合は、「整備不良」として扱われます。
この違反に対しては、違反点数1点が加算され、反則金として普通車で7,000円が科されます。
一見すると軽い違反のように感じられるかもしれませんが、累積点数によって免許停止につながる可能性もあるため油断はできません。
また、違反の履歴が残ることで保険料の見直しにつながることもあります。
趣味のカスタムであっても、基準を外れると「違反車両」として見なされることを忘れないようにしましょう。
整備不良で止められた事例もある
実際に、ヘッドライトの色が規定外であることを理由に、交通検問などで指摘された事例は少なくありません。
その場で対応を促されるだけでなく、車検時にも不適合と判断される原因になりかねません。
また、カスタムの印象が強い車両は注目されやすく、ほかの部分まで厳しく確認されるきっかけになることもあります。
見た目の好みだけで判断せず、基準に適合した装備を選ぶことが、無用なトラブルを避けるうえでも重要です。
違反となるケースと合法なケースの具体例

違反になるケース
たとえば、2008年式の普通乗用車に黄色いヘッドライトバルブを装着した場合、それは保安基準違反となります。
この年式は、ヘッドライトの色が「白色に限る」とされた2006年以降に該当しており、黄色い光は明確に基準外と判断されます。
違反と判断されれば再整備や再検査が必要になり、余計な出費につながります。
最初から基準に沿った選択をしておくことが、後々のトラブルを避ける最も確実な方法です。
合法なケース
一方、170系クラウン(1999年〜2003年)の場合、黄色いヘッドライトの使用は問題とされません。
この時代の車はまだ「淡黄色」が認められていたため、当時の仕様に合ったバルブであれば合法となります。
ただし、バルブの発光色や明るさが極端に偏っていたり、光軸がずれていたりすると、車検で不適合と判断される場合があります。
そのため、車検対応と明記された製品を選び、取り付け後の光の状態も確認しておくことが大切です。
まとめ:黄色いヘッドライトの正しい知識と使い方
黄色いヘッドライトは独特の雰囲気があり人気も高いですが、2006年以降の車では違反となりますので注意が必要です。
一方、フォグランプでの使用や、2005年以前の旧年式車両であれば、現在も保安基準に適合する形で黄色バルブの装着が認められています。
装着する際は、光の色や照射範囲などが基準に適合しているかを確認し、必ず車検対応品を選ぶことが大切です。
違反になると点数や反則金の対象となり、整備不良として記録が残るリスクもあります。
基準に適合した範囲で黄色い光を取り入れることが、趣味性と法令順守を両立する唯一の方法です。