11月14日、舞台は愛知・豊田スタジアム。日本代表がガーナ代表との一戦に挑みます。
対戦相手は、アフリカW杯予選を首位で勝ち抜いた実力国。実戦強度の高い相手を前に、日本の準備がどこまで機能するかを試す、重要な90分になりそうです。
そんな中で注目されるのが、三笘薫のコンディションです。今回のガーナ戦に、果たしてメンバー入りするのでしょうか。
もし出場が見送られるとなれば、日本は左サイドをどう組み立てるかがポイントになってきます。
特に今回は、相手の守備強度を考えても、個ではなく連動による崩しがどこまで機能するかが試される場面です。
さらに、遠藤航と三笘薫がともに不在となれば、セカンドボール回収やテンポ、陣形の前進にも影響が及ぶはずです。
そうした状況のなかで、日本がどれだけチームとしての完成度を保てるかが問われます。
観戦時に押さえておきたいポイントも整理しながら、試合の見どころをさまざまな角度から掘り下げていきます。

三笘薫はガーナ戦に出場するのか?クラブの対応と現状を整理

11月14日の日本代表戦に向け、三笘薫の招集可否は10月30日時点で正式には発表されていません。
所属クラブのブライトンでは10月以降の複数試合を欠場しており、足首の状態を見ながらの調整が続いていると報じられています。
公式サイトやプレミアリーグ関連の情報でも、フィットネスの回復を重視した対応が取られていることがうかがえます。
そのため、今回の代表戦では出場を見送る可能性もあるという見方が現実的だと考えられます。
試合が親善試合であることを踏まえると、無理な復帰を避け、慎重に進める方針が尊重される場面です。
また、日本は左サイドにおいて、個人の突破力に頼らず連動による攻撃構築を図る場面も見られ、今回の試合はその設計意図がどこまで機能するかを確認する機会となり得ます。
対戦相手のガーナ代表は、アフリカ予選を首位で突破したチームで、一定の実戦強度を持つことが知られています。
こうした相手との試合は、チーム全体の構成や連携をチェックするうえでも一定の意味を持つものといえます。


三笘不在でどう組み立てる?左サイド再設計の焦点を整理

左サイドの再設計において、単なる人選ではなく、どんな形で攻撃を成立させるかが問われます。
その本質を探るには、候補選手の特徴整理とともに、外起点をどう機能させるかという視点が欠かせません。
代役の型は3パターン それぞれの特徴と組み合わせ方
代役となる選手たちは、大きく三つの型に分類できます。
①ナチュラルLW型(例:中村敬斗/スタッド・ランス、斉藤光毅/QPR)、
②左寄りアタッカー型(例:南野拓実/モナコ)、
③右基準の創造型を左に置くパターン(例:堂安律/フランクフルト、久保建英/レアル・ソシエダ)
です。
①の中村は左ウイングが本職で、直線~斜めの動き出しから一気にフィニッシュまで持ち込むスピード感が魅力です。
同じく斉藤は、タッチライン際での幅取りと1対1の勝負からリズムを生むタイプで、縦の突破と推進力に優れています。
②南野は左寄りながらも、内側での連携や加速からゴール前に絡むスタイルで、ハーフスペースの活用とPA内での厚みづくりが特長です。
③の堂安・久保はいずれも右を基点とするプレーメイカー型ですが、左に配置した際は角度や関与位置が変わるため、SBやIHとの動きの設計合わせが重要になります。
最終的には、相手右SBの守備特性や自軍のSB・IHとの組み合わせを見ながら、これら三つの型をどう使い分けるかがピッチ上での噛み合わせに影響してきます。
(なお、実際の起用可否は最新の招集発表を確認する必要があります)
左サイド外起点の再構築案 SB・IH・WGの連携パターンとは?
外起点の軸となるのは、左SBの外走りで相手右SBの体の向きを外へ誘導し、そこへIHが内から差し込んでCBの重心を揺さぶる、この二段構えです。
代役となるLWは、幅を取って→内へ入り→再び幅へ開く受け直しを繰り返し、PA角(いわゆるDゾーン)での折り返しや、ニア~ファー横断の選択肢を状況に応じて使い分けます。
さらに、逆サイドのWGやSBが一歩早く二列目の到達を仕掛けることで、横断のパスはより高い価値を持つ武器となります。
ビルドアップでは3+2(もしくは2+3)で左サイドに余白を作り、初手の縦パス→落とし→解放という三角形でテンポを一気に加速させていきます。
三笘が残した理想形とは?左サイド攻撃の再現基準を整理

三笘薫がこれまで日本代表で積み上げてきたプレーは、左サイドにおける機能性のひとつの基準となっています。
本節では、その中でも再現性や決定機のつながり方に注目し、現体制で目指すべき到達点の目安を整理します。
再現性のある形をどう定義するか?左サイドで見るべき3つの軸
基準の中核となるのは、次の3点です。
①前を向いて最初に受けるシーン、②PA角(Dゾーン)への到達と侵入、③折り返しや横断のラストアクション。この三つを満たせるかが重要になります。
①については、どれだけ早く・多く前向きの受けを作れたかで評価され、最初の一手で相手SBの足を止められるかがポイントです。
②は、PA角付近での滞在や被ファウルの獲得など、波状的な攻めができたかを回数で測る形になります。
③は、折り返しの質(グラウンダー or 浮き球)と、横断のスピードが問われ、逆サイドの到達選手がワンタッチで合わせられる位置に入っているかどうかが基準になります。
この3要素を安定して積み重ねられるかどうかが、左サイドの攻撃が戦術として機能しているかの判断基準となります。
1G1Aの実例に学ぶ 三笘が見せた完成形の具体像(2022年ガーナ戦)
2022年6月10日、ノエビアスタジアム神戸で行われたキリンカップ準決勝で、日本代表はガーナに対して4–1というはっきりしたスコアで勝ち切りました。
この試合で三笘薫は1ゴール1アシストをマークし、左サイドからの鋭い突破と、最後の仕上げにつながるプレーの両方で存在感を示しています。
得点の流れは、山根視来(29分)→ジョーダン・アユー(43分)→三笘薫(45+1分)→久保建英(73分)→前田大然(82分)という順で、日本は前半アディショナルタイムの三笘の一撃で一度傾きかけた流れを取り戻しました。
JFAの公式マッチレポートでも、三笘の得点とアシストが日本の攻撃リズムを押し上げたと整理されており、この試合では同じ狙いの攻撃パターンを何度か形にできていたことが分かります。
つまりこの試合は、左サイドが噛み合ったときのスピード感やポジショニングを具体的に確認できる材料であり、今回のガーナ戦でもどれだけこの形を再現できるかを見ていくと、全体像がつかみやすくなります。
今回のガーナ戦は構造のテストケース 注視すべきポイントを見極める

相手の守備がどこで揺らぐかを見抜き、その変化点を突いて攻撃を構築できるか。この視点こそが今回の試合で問われます。
ここでは、サイドの起点や配置のズレに着目し、日本がどのような優位を作れるかを整理していきます。
ガーナ右SB~CB間に注目 チャネル攻略の成否が流れを決める
今回注目したいのは、ガーナの右サイドとりわけ右SBの背後と右CBの外側(チャネル)に、日本がどれだけ入り込めるかという点です。
早い時間帯に、SB裏へ斜めのボールが落ち始めるか。それとも、二列目の選手がハーフスペースに遅れて到達できるかを見れば、攻撃の流れが見えてきます。
終盤には、交代選手が入った直後のサイド守備の連係のズレを突けるかも重要なポイントになります。
そのタイミングに到達できるだけの、圧力の持続があるかにも注目したいところです。
遠藤・三笘がいないとき、チームの構造の歪みはどこに出るか?
10月のパラグアイ戦とブラジル戦では、遠藤航と三笘薫がそろって不在という状況でも、日本はセカンドボールの回収や前進のテンポを大きく崩すことなく戦い切ることができました。
とはいえ、あの2試合は相手のプレッシングの強度や立ち上がりの展開が日本の設計と噛み合った面もあり、毎回あの通りに運ぶとは限りません。
守備面で今回注目したいのは、ファウルの数やその位置の管理、そしてリスタート直後のセカンド回収地点が必要以上に自陣へ押し下げられていないか、という点です。
このバランスが崩れると、被セットプレーの質や回数が一気に増えてしまうリスクも出てきます。
セットプレー対応においては、ニア基準のマークやブロックといった狙いの再設計、さらにはキッカーの役割固定がどこまで継続されるかによって、終盤に相手の圧力を跳ね返す耐性が大きく変わってきます。
こうした視点から見ると、今回のガーナ戦は「不在を織り込んだ状態のチームが、タイプの異なる相手に対しても同じ構造で戦えるのか」を見極めるテストケースとして、非常に意味のある一戦になるはずです。
まとめ:三笘不在でも構造で戦う日本が試される一戦に
三笘薫は無理をせず出場を見送る前提で、日本代表は左サイドの攻撃を構造で再構築して試合に臨むことになります。
その代役には、ナチュラルなウイング型・左寄りで仕掛けるアタッカー型・創造力のある左回し型など、複数のタイプがおり、相手の右サイドの特徴に応じて使い分けていく柔軟さが求められます。
攻撃面では、サイドバックの外走りとインサイドハーフの内差しを組み合わせながら、ペナルティエリア角付近からの折り返しや横断で、決定機の回数を積み上げていく設計です。
守備とトランジションにおいては、遠藤航と三笘の不在を踏まえたうえで、セカンドボールの回収とリスタート後の再回収を、どれだけ前向きな形で維持できるかが大きな焦点になります。
観戦時には、左サイドで深さを得た直後に被ファウルやコーナーキックを誘発できているか、あるいは逆サイドへの展開にどれだけ早く到達できているかにも注目すると、試合の構造がより明確に見えてきます。
こうした設計で、三笘がこれまで築いてきた基準に迫ることができれば、彼の復帰後には、さらに戦術の厚みとしてチームに積み上がっていくはずです。


