11月14日に日本代表が対戦するガーナには、最も警戒すべき男がいます。
モハメド・クドゥス、左利きの技巧派アタッカーであり、チームの攻撃の中心です。
右サイドや中央から仕掛け、ドリブルで内へ切れ込み、左足でゴールを射抜く型が非常に強力です。
2024年のアフリカ・ネイションズカップではエジプト相手に2得点を決め、その勝負強さはすでに実証済みです。
現在はトッテナムに所属し、欧州の舞台でも存在感を示している彼を止められるかが、この試合の勝敗に直結すると言っても過言ではありません。
本記事では、そんな“要注意選手”クドゥスの特徴と現在地、そして日本が取るべき具体的な対策を、事実と実例をもとに詳しく解説します。


ガーナ代表のエース・クドゥス 切れ込む左足に要警戒

モハメド・クドゥスは、単なる“巧い選手”にとどまりません。
彼は、ガーナ代表の中で最も信頼されている攻撃の起点であり、ボールが渡った瞬間に期待と緊張が走る存在です。
ここでは、彼のポジション運用・得点パターンでの影響力について、より具体的に掘り下げていきます。
ポジションも役割も自由自在 “エース枠”としての使われ方とは?
クドゥスの主戦場は、右ウイングまたはインサイドハーフです。
左利きの彼を右サイドに配置することで、カットインからの左足シュートやスルーパスの選択肢が広がります。
また、中央に置けば細かなターンと加速で前を向き、ゴールに直結するプレーを生み出します。
ガーナ代表チームでは「ここで預ければ何か起こる」という信頼を得ており、プレーエリアも自由に移動できる“エース枠”として運用されています。
クラブでも類似の役割を担っており、右からの仕掛けを軸に、最終局面での決定的なアクションに多く関与しています。
得点パターンは1つじゃない!カットイン以外にもある“決定力”の幅
彼のゴールパターンの多くは、「右サイド or ハーフスペースで受ける → 内に切れ込む → 左足でシュート」という流れに集約されます。
対面のDFを軽やかな切り返しで外し、ペナルティエリア手前の“自分の間合い”から一気に狙います。
守備側が内を切って対応すれば、再加速して縦に抜け出し、クロスや折り返しに切り替える柔軟さも持ち合わせています。
さらに、逆足でもゴールを奪い、頭でもネットを揺らすなど、左右上下を問わずあらゆる形で得点を狙えるのも脅威です。
結果的に、「内を切らせなければOK」と割り切るのは危険であり、複数のルートを常に警戒する必要があります。
最新データで見るクドゥスの現在地と“勝負強さ”の根拠

クドゥスがただの“将来性のある選手”ではなく、いま現在こそ最も警戒すべき存在であることは、最新の実績とパフォーマンスが証明しています。
ここでは、代表戦での決定力と、クラブでの出場状況を整理しながら、試合当日時点での“怖さの根拠”を明確にしていきます。
代表戦で見せる勝負強さ クドゥスが“格上キラー”と呼ばれる理由
クドゥスは2024年のアフリカ・ネイションズカップで、エジプトを相手に2得点を挙げるなど、厳しい局面で決定力を発揮しました。
それ以降もガーナ代表に継続して選出され、2025年現在も主力としてプレーを続けています。
2025年10月時点でガーナ代表として通算46試合13得点を記録しています。
主なポジションは右ウイングや攻撃的MFであり、いわゆる“ストライカー専任”の起用ではありません。
それにもかかわらず、これだけの数字を積み上げている点は、非CF型アタッカーとして見逃せない実績です。
とくに注目すべきは、接戦の場面で決定的なゴールを奪った試合が複数あるという点です。
いわゆる“格下キラー”ではなく、“勝負どころで違いを生み出せる選手”としての評価も、ここ1年で大きく広がってきました。
この試合でも、流れが停滞したときや苦しい時間帯にクドゥスが顔を出す展開は十分に想定されます。
トッテナムでも存在感!好調を維持したまま日本戦へ突入か
2025年夏、クドゥスはプレミアリーグのトッテナムへ完全移籍を果たしました。
開幕から右ウイングやインサイドハーフの位置で起用され、10月にはリーグ戦での初ゴールも記録しています。
チャンスメイクやフィニッシュ精度の両面で存在感を放ち、欧州トップリーグでもその能力が通用することを証明しました。
一部報道では、軽度の違和感や疲労の影響があった時期も伝えられましたが、長期離脱には至らず、10月末時点ではコンスタントな出場が続いています。
したがって、日本戦の前にもクラブでの試合勘を維持したまま代表に合流することが見込まれ、好調を維持していれば、本来のパフォーマンスが発揮される可能性も高いでしょう。
状態と試合勘の両面が整った、厄介なタイミングでの対戦となりそうです。
日本代表が取るべき守備対応 3つの視点から考える対策

クドゥスのプレーは、一人で完結する鋭さを持ちながらも、チームとしても彼を最大限に生かす設計で組まれています。
そのため、日本は個人の能力だけで止めに行くのではなく、組織としての対処が不可欠です。
ここでは、試合の入り方・マッチアップの基本形・ファウルのリスク管理といった具体的な観点から、日本が準備すべきポイントを整理します。
立ち上がり5分が勝負 “右→内”への侵入を初動で消せるか
モハメド・クドゥスに“自由”を与える時間があれば、それだけで日本にとっては危険信号です。
とくに、彼が右サイドやハーフスペースで前を向き、ボールを持った瞬間は要注意。そこから左足で内側へ切り込むカットインは、ガーナにとって得点に直結する重要な選択肢のひとつです。
この攻撃ルートを抑えるためには、ボールが入る前から周囲が連動して圧力をかけ、同時に内側への侵入スペースを消す守備設計が欠かせません。
タッチライン方向へと追い込み、縦への突破に限定させることで、クドゥスのプレー精度を下げることが期待できます。
そしてなにより、試合の立ち上がり、特に前半5〜10分でこうした形を何度か遮断できれば、彼のリズムを崩し、日本全体の守備にも落ち着きが生まれてくるはずです。
誰が止める?SB・アンカー・CBが連動する“3人守備”の完成度がカギ
クドゥスに対する守備は、誰か一人が抑えるものではありません。
対面のSBまたはSHが素早く寄せ、アンカーが中央へのカットインを警戒し、CBが背後の抜け出しをカバーする。この三重の守備網を構築することがポイントです。
1対1で対応しようとすると、ちょっとした重心のズレで突破されてしまうため、連動した守備で受ける前から包囲網を作る必要があります。
また、縦パスの出所へのプレッシャーも重要で、ボールがクドゥスに届く前の段階から圧をかけられるかどうかが試合の鍵を握ります。
PA手前での接触に要注意 “倒され損”を避けるための守り方とは
もっとも注意が必要なのは、ペナルティエリア周辺での安易なファウルです。
クドゥスはボールを持ちながら相手との距離をうまく操り、接触を引き出すプレーが見られる選手で、足を出した瞬間に倒れこむ場面も少なくありません。
とくにPAアーク付近でのファウルは直接FKを与えるリスクが高く、位置によっては得点に直結する重大な局面となります。
日本代表は“止める守備”よりも、“進行方向を限定してゴール前に入れさせない”守備意識が重要です。
相手を外側へ追いやるような身体の寄せ方を徹底することで、ファウルを取られる場面そのものを減らすことができます。
加えて、流れを止める笛が増えると日本の攻撃リズムにも影響が出かねないため、コンタクトの強度とタイミングには繊細なバランス感覚が求められます。
試合中に分かる!クドゥス封じの成否を読み解く5つのチェックポイント

クドゥスをただ「強い選手」と認識するだけでは、観戦中の“本質”を見逃してしまうかもしれません。
重要なのは、彼が機能しているかどうかを見抜くサインを持っておくことです。
ここでは、「日本が上手く抑えている時」「危険な兆候が出ている時」の両面から、試合中に注目すべきポイントをチェックリスト形式で解説します。
試合の流れを握っている時!日本がクドゥスを封じている「5つの好兆候」
もし以下のような場面が複数確認できれば、日本はクドゥスの脅威を最小限に抑え、守備面から試合を優位に進められている可能性があります。
- 前半10分の時点で、クドゥスが前を向いてボールを受ける場面がほとんど見られない
→ 立ち上がりにおいて自由を与えていないことは、日本の守備陣が事前のプラン通りに集中している兆しといえます。 - 右サイドで受けた際に、中央への仕掛けではなく、外側や後方へのパスを選択している
→ 日本が内側のスペースを意識的に消し、外に誘導するような守備が成立している状況と捉えることができます。 - ガーナの右サイドから中央への展開に対し、日本のアンカーが縦のパスコースを封じている
→ クドゥスへの危険なボール供給を制限し、攻撃の起点を寸断する上で非常に重要な働きです。 - ペナルティエリア手前で、日本が無理なファウルに頼らず対応できている
→ 慌てず冷静な守備ができていることを示す一つの目安であり、相手に直接FKのような好機を与えるリスクも抑えられます。 - クドゥス付近でボールを奪い、その流れから鋭いカウンターにつながる場面が生まれている
→ 守備から攻撃への切り替えがスムーズに機能し、相手のリスクを逆手に取る日本の狙いが形になっている状態です。
こうした“兆候”がいくつも見られるようであれば、日本は守備から試合をコントロールできていると捉えてよく、勝ち筋のある展開に持ち込めている可能性が高いでしょう。
危険な兆候が見えたら要注意!守備が崩れ始めた時に出る“5つのサイン”
以下のような場面が続くようであれば、クドゥスの影響力によって試合の流れが一気に傾く可能性があるため、日本は守備の綻びにいち早く気づき、対応を図る必要があります。
- 右サイドでクドゥスが何度も前を向いて侵入してくる(内も縦も両方から)
→ 自由に前を向ける回数が増えるのは、守備連携が緩み始めている兆候です。押し下げられることで、全体の陣形が崩れやすくなります。 - カットインの後、PAアーク付近でのファウルが目立ち始めている
→ 無理に止めにいく場面が増えると、直接FKのリスクが高まり、そこから失点につながる可能性もあります。冷静さを欠いてきたサインとも受け取れます。 - 対面SBの守備が後手に回り、縦にも内にも対応しきれていない
→ 個で止めきれず、周囲のサポートも追いつかない状態が続くと、守備の再編やポジション調整が求められる局面です。 - センターバックが引き出され、守備ラインが“くの字”に崩れ始めている
→ 本来のライン連動が乱れている兆しで、中央のスペースを空けてしまう危険性があります。誰がどこをカバーするのかが曖昧になる瞬間です。 - アンカーの横スライドが間に合わず、二列目からの飛び出しに対処しきれていない
→ 中盤が遅れた結果、ゴール前のマークが手薄になり、セカンドボールや折り返しにも反応が遅れる傾向が出てきます。
これらの兆候が重なってくると、日本の守備は機能不全に近づいている可能性があり、とくに「クドゥスの突破→被ファウル→セットプレー→失点」という一連の流れには、強い警戒と注意深い観察が必要です。
11月14日の日本×ガーナ戦が持つ“実戦的意味”と狙いどころ

2025年11月14日に行われる日本代表対ガーナ代表の一戦は、国際親善試合として開催されます。
公式戦ではありませんが、W杯予選やアジアカップに向けた強化試合として、実戦的な意味を持つカードです。
日本にとっては、身体能力に優れるアフリカ勢を相手に、球際やプレッシャー下での対応力を確認できる貴重な場面になります。
一方でガーナにとっても、組織力に優れた日本の守備を崩せるかが焦点で、エース・クドゥスらの突破力に注目が集まります。
両国とも欧州組を多く抱えており、短期間の準備でどこまで完成度を高められるかが、パフォーマンスに直結します。
その意味でも、スカウティングと戦術理解の完成度が、結果以上に重要な評価軸となる試合です。
まとめ:クドゥス対策の焦点を知れば、試合の流れが見えてくる
モハメド・クドゥスが得意とする「右起点→内切り→左足フィニッシュ」の流れを、どこまで日本が寸断できるかが守備の大きな焦点です。
前を向かせず、内側を締め、背後のスペースを管理する三重の連携が機能すれば、クドゥスの決定力をある程度封じることも可能になります。
逆にこのパターンを序盤から繰り返し許せば、試合のリズムはガーナに握られる恐れもあるでしょう。
現在のクドゥスはクラブでも代表でも結果を残しており、日本にとっては注意すべきタイミングでの対戦となります。
だからこそ、「どこを見れば試合の流れが読めるのか」を意識することで、90分の理解度は格段に深まり、試合全体がより鮮明に映るようになります。



