真夏の車中泊でエアコンを使えないのは、快適さ以前に命に関わる問題です。
とはいえ、長時間のアイドリングはエンジン音がうるさいと苦情の原因になることもあり、
アイドリング規制の条例に違反する可能性もあるため注意が必要です。
そうした中、ローソンが一部店舗で始めた“RVパーク実証実験”が注目されています。
電源付きの専用スペースを設け、快適でルールに沿った車中泊の形を模索している試みです。
本記事では、ローソンの取り組みを軸に、
「夏の車中泊でエアコンは使ってもいいのか?」
「条例とどう向き合えばいいのか?」
といった疑問に、実態と対策の両面から答えていきます。


ローソンが車中泊サービスを開始|RVパークの実証実験とは?

コンビニ大手のローソンが、RVパークの実証実験として車中泊サービスをスタートしました。
千葉県内の一部店舗に専用スペースを設け、電源やごみ処理などの設備も用意されています。
実施期間・料金・予約方法・サービス内容など、知っておきたいポイントをわかりやすくまとめました。
実施期間:2025年7月14日(月)~2026年6月30日(火)
実施店舗: 千葉県内の6店舗(※1)で実証実験を開始
(※1)2025年7月14日時点のデータ(順次拡大予定)
予約専用サイト:RV-Park.jp(https://rv-park.jp/)
料金:1泊につき2,500~3,000円/車1台、駐車スペースは2台分確保
支払い方法:クレジットカード払いのみ ※現金でのお支払い不可
チェックイン:18:00 チェックアウト:翌9:00
実施店舗側での対応内容:
- 専用タブレットでの予約確認
- 対象の車室へ専用の「置き看板」設置および撤去
- 受付セット(利用許可証、注意事項記載用紙、ごみ袋1枚)の手渡し
- 電源ドラムの貸し出し
- 生ごみの処理(専用のごみ袋1袋まで)
趣旨:ホテル代高騰や訪日客の増加への対応。RV協会認定の「RVパーク」施設として初のコンビニ展開
夏の車中泊でエアコンは必須 でもアイドリングはNG?

真夏の車内は、夜でも30度を超えることがあり、エアコンがないと命に関わる暑さになります。
特に小さな子どもや高齢者がいる場合、エアコンの使用は安全上欠かせません。
しかしその一方で、アイドリング状態でのエアコン使用は条例・マナー上の問題が指摘されており、
「使いたいけど使えない」というジレンマがつきまといます。
ここでは、法律的な規制と、実際の現場での対応を整理してみます。
条例でどう定められている?実際に違反になるのか
全国のほとんどの自治体では、駐停車中のアイドリングについて、条例やガイドラインによりエンジンを止めるよう求められています。
たとえば東京都の環境確保条例では、駐車中のエンジン停止が義務となっており、神奈川・大阪・愛知などの主要自治体も同様です。
罰則があるかどうかは自治体によって異なりますが、地域によっては「注意・通報・指導」といった形で対応されることもあります。
特に夜間、住宅地や静かな道の駅では、騒音・排ガスが原因でトラブルになることも考えられます。
つまり、「法的に完全な違法行為ではない」としても、地域全体でアイドリングストップを求める意識や行動が広まりつつあります。
他の車中泊ユーザーはどうしてる?「つけっぱなし」の現状
とはいえ現実には、「アイドリングでエアコンをつけっぱなしにしている車」はどこでも見かけられます。
とくに真夏の夜は、熱中症リスクを避けるため、やむを得ずエアコンを使っているという声も多く見られます。
SNSでも、
「エアコンつけないのは無理」
「暑さで我慢できない」
といった率直な声があり、
規制と現実の間に大きなギャップがあることを物語っています。
ローソンは車中泊の際はエンジンオフをお願いしていたと思うんだけど、この暑さでは無理だよね😅
— 内科医くま🐻 (@kuma1206) July 9, 2025
次は近隣からうるさいとクレームが入ったときにどう対応するかだな。
あと、夏冬のエアコン使用によるバッテリー問題🤔
JAFの出番だ! https://t.co/NcF17YXtcf
アイドリングせずに涼しく過ごす方法はある?
多くのベテラン車中泊ユーザーは、以下のような方法で暑さを乗り切っています。
- ポータブルバッテリーと小型冷風機の併用
- 日没後の早めの換気と熱気抜き
- サーキュレーターで空気を動かす
- 冷感マットや保冷剤を活用
- 網戸+虫除けで自然風を取り入れる
ただし、これらも限界があるのが現実です。
やはり電源付きの場所を選べば、冷却機器をフルに活用でき、「エアコンがなくても快適に過ごす」選択肢が広がります。
ローソンのRVパークではアイドリングOK?禁止?

一般的なRVパークではアイドリング禁止がマナーとして定着しています。
騒音や排気ガスの問題から、他の利用者への配慮が求められるためです。
では、ローソンの実証実験ではどうでしょうか?
運用ルールに明記はある?現地のマナー状況を調査
ローソンの実証実験に関する公式リリースには、アイドリング可否の記載は見当たりません。
しかし、くるま旅.comに掲載されている該当店舗(ローソン一宮東浪見店)のページには、
「駐車中は、必ずエンジンを停止して下さい(アイドリング禁止)」との注意書きが明記されています。
くるま旅.com|ローソン 一宮東浪見店 RVパーク
また、同サイトを運営する日本RV協会は、RVパーク共通のマナーとしてアイドリングストップを原則としています。
現場においても、事実上“アイドリングは控えるべき”というルールが存在していると見るのが自然です。
アイドリング禁止でも使える冷房手段とは
ローソンのRVパークでは、延長式の100V電源を貸し出しており、これを利用すればアイドリング不要で冷却機器を稼働させることができます。
また、ハイブリッド車の場合、バッテリー残量が十分であれば一定時間は静かにエアコンを使用できます。
ただし、冷房使用中はバッテリーの補充やコンプレッサーの稼働のため、断続的にエンジンが始動することがあり、完全な静音とはなりません。
それでも、エンジンを常時かけ続けるよりは騒音や排気ガスを抑えられるため、現実的な選択肢の一つと言えるでしょう。
ポータブルクーラー+電源付きRVパークなら解決できる

暑さとアイドリングの矛盾を解決する現実的な手段として、
「電源付きのRVパーク」と「ポータブル冷却機器」の組み合わせが有効です。
特にローソンの実証実験では、ポータブル電源がなくても、電源ドラムを貸してくれるという点が画期的です。
ポータブル電源がなくてもローソンなら延長電源で使える!
チェックイン時にスタッフから貸与される電源ドラムを使えば、100V対応の冷風機や扇風機、LEDライトなどが利用可能。
自前の装備がなくても暑さ対策ができるのは、初心者やライトユーザーにとっても非常にありがたいポイントです。
おすすめの冷却機器と使用上の注意点
- ポータブルクーラー(例:EcoFlow WAVE3など)
- USB冷風扇(USB→AC変換アダプターが必要)
- 冷感マット、保冷剤+サーキュレーター
- 夏用寝袋、日除けシェードの活用
利用時は以下に注意:
- 消費電力(1500W以内)を超えないこと
- コードの取り回しと防水対策
- コンセント接続の安全確認
RVパーク周辺には何がある?千葉6店舗エリアの観光スポット紹介
①ローソン一宮東浪見店 (住所:千葉県長生郡一宮町東浪見562)
周辺の観光スポット3選
- 釣ヶ崎海岸:東京2020五輪で使用された、日本屈指のサーフィン聖地。良質な波を求めるサーファー必見。
- 一宮海水浴場:九十九里南端の遠浅ビーチ。家族連れにも安心で、夏の体験も充実。
- 九十九里浜:約66kmにわたる直線的砂浜。ドライブ·散策·絶景に最適な自然公園ビーチ。
②ローソン御宿新町店 (住所:千葉県夷隅郡御宿町新町仙人塚417-19)
周辺の観光スポット3選
- 御宿海岸:全長約2kmの白砂が広がる遠浅ビーチで、夏の海水浴や散策に人気。
- 月の沙漠記念館と記念像:童謡ゆかりの資料館と海辺のラクダ像が観光名所。
- 御宿ウォーターパーク:流れるプールやスライダーが楽しめる、夏限定の町営レジャー施設。
③ローソン天津小湊店 (住所:千葉県鴨川市内浦1909)
周辺の観光スポット3選
- 鴨川シーワールド:日本でも数少ないシャチが見られる大型マリンパークで、迫力のショーが人気。
- 大山千枚田:千葉県唯一の「日本の棚田百選」で、四季折々の絶景が楽しめる棚田景勝地。
- 内浦海水浴場:駅近の穏やかな遠浅ビーチで、家族連れにも安心な夏の穴場スポット。
④ローソン富浦インター店 (住所:千葉県南房総市富浦町福澤873)
周辺の観光スポット3選
- 房総の駅とみうら:浜焼きや海鮮グルメが楽しめる富浦ICそばの大型道の駅。
- 大房岬自然公園:展望塔から富士山や東京湾を一望できる絶景ハイキングスポット。
- 原岡桟橋:海に伸びる木製桟橋と夕景・富士山が美しいフォトジェニックな名所。
⑤ローソン南房総岩井海岸店 (住所:千葉県南房総市久枝35-1)
周辺の観光スポット3選
- 岩井海水浴場:全長約3kmの遠浅ビーチで、家族連れや合宿にも人気の安全な海岸。
- 大黒山展望台:岩井の海と山を一望できる、パノラマ絶景スポット。
- 道の駅富楽里とみやま:高速直結で、地元グルメと特産品がそろう便利な休憩拠点。
⑥ローソン富津湊店 (住所:千葉県富津市湊1238-1)
周辺の観光スポット3選
- 鋸山(日本寺):険しい岩肌と磨崖仏・観音像群を楽しめる、関東屈指の山岳絶景観光地。
- 東京湾観音:高さ56mの観音像が立つ山頂から東京湾越しに横浜や富士山を望めるパノラマスポット。
- 富津岬 明治百年記念展望塔:東京湾に突き出た展望塔から三浦半島や富士山を一望できる関東の富士見百
まとめ|夏の車中泊は“場所と設備選び”で快適になる
「エアコンは必要、でもアイドリングはNG」
夏の車中泊では、多くの人がこの矛盾に悩まされています。
その解決のポイントとなるのが、電源が使える環境に移ることです。
ローソンのRVパーク実証実験のように、電源や設備が整った場所を選べば、ルールも守りつつ、安心して快適に過ごすことができます。
設備やマナーが整った場所を選ぶことで、車中泊に対するネガティブな印象も変わっていくかもしれません。
今後は、「どこでも車中泊」ではなく、「設備の整った場所で、安全に車中泊」が新しい常識になっていくでしょう。

