「90歳の親が運転をやめない…事故を起こしたらどうしよう」
そう悩む家族は決して少なくありません。
高齢ドライバーによる事故は社会問題化しており「そろそろ免許を返納してほしい」と思っても、本人のプライドや生活事情があり、なかなか話が進まないのが現実です。
この記事では、なぜ高齢の親が運転をやめないのかという理由から、家族ができる具体的な説得ステップ、免許返納後の支援までをわかりやすく解説します。
「一人で抱え込まない」という大切な考え方もぜひ知ってください。
高齢ドライバー問題を巡る世間の声や背景を知りたい方はこちら

90歳でも運転をやめない親…なぜ免許返納しないのか?

高齢ドライバーが運転を手放さない理由
「もう90歳なのに、なぜ運転を続けるのか?」
多くの人が疑問に思いますが、そこには高齢者特有の心理と事情があります。
まず大きいのがプライドです。
長年運転してきた自負や、「まだ自分は大丈夫」という思いが免許返納への抵抗感につながります。
また、生活の足として車が不可欠な人もいます。
特に地方ではバスや電車が少なく、車がなければ病院や買い物に行けない人も多いのです。
さらに、車を手放すことで孤立や不安を感じる人も少なくありません。
「車を失えば自由を奪われる」という恐怖感が、家族の説得を難しくしているのが現実です。
やめさせられない家族の苦しみ
家族の多くは「危ないのに、なぜわかってくれないのか」と悩みます。
しかし、家族だけで説得するのは大きなストレスです。
世間では「事故を起こす前に止めるべきだ」という声もありますが、実際には親の強い拒否にあい、家族間の関係がこじれることも少なくありません。
だからこそ、一人で抱え込まず、第三者の力を借りることが大切です。
家族ができる!90歳の親を説得する具体的な3つのステップ

ステップ1|話し合いの準備とタイミング
まずは家族全員で足並みをそろえることが大切です。
誰か一人だけが「危ない」と訴えても、本人が聞き入れない場合があります。
できれば兄弟姉妹や親族で話し合い、「みんな同じ気持ちだよ」と伝えられるようにしましょう。
また、話すタイミングも重要です。
事故やヒヤリハットがあった直後は、本人も不安を感じやすいので、気持ちを受け止めながら切り出すとスムーズです。
ステップ2|医師や専門家の力を借りる
説得に行き詰まったら、かかりつけ医や専門家の力を借りましょう。
特に認知症の兆候があれば、医師から診断を受け「医師が危ないと言っている」と伝えることで説得力が増します。
また、自治体の地域包括支援センターには、高齢ドライバー支援の相談窓口がある場合もあります。
第三者の専門的な立場で話してもらうことで、家族だけでは難しい話が進むケースも多いです。
ステップ3|自治体や警察に相談する方法
「どうしても危険だ」と感じる場合は、運転免許センターや警察に相談するのも一つの手です。
警察には認知機能検査の受検を促す制度があり、更新時に問題があれば免許の取り消しや停止につながることもあります。
また、多くの自治体には免許返納サポート窓口があり、返納後の生活支援も含めて相談に乗ってくれます。
【参考リンク:警察庁|運転免許証を自主返納した方への各種特典のご案内について】https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/koureiunntennmatome.html
免許返納後の生活を支える方法

代替交通手段の選択肢
親が車を手放すと「出かけられないのでは」と不安になるのが当然です。
その不安を解消するためには、代替交通手段を一緒に考えてあげましょう。
- シルバーパス(地域で使えるシニア向け定期券)
- 福祉タクシー券
- デマンドバス(予約型乗合バス)
- 家族の送迎
など、地域によって選択肢が違います。
親の生活圏でどんなサービスが使えるか、市区町村のホームページで確認しておきましょう。
返納で得られる支援や特典
免許を返納すると、公共交通の割引やタクシー券の配布など、さまざまな特典が用意されている地域もあります。
地域差が大きいので、地元の役所に確認してみましょう!
こうしたメリットを具体的に示すことで、本人も「返納しても何とかなる」と思いやすくなります。
失敗しないために大切な考え方

事故が起こってからでは遅い
「何かあってからでは遅い」というのは本当にその通りです。
万が一事故を起こせば、被害者だけでなく加害者本人と家族にも大きな負担がのしかかります。
民事責任が問われたり、世間の批判を受けたりするのは高齢ドライバーの家族にとっても大きなリスクです。
一人で悩まないことが大切
どれだけ仲の良い家族でも「免許を返納して」と伝えるのは勇気がいることです。
一人で悩まずに、医師、自治体、警察など“第三者の力”をどんどん活用してください。
「自分一人で説得できないのは仕方ない」と自分を責めないことも大切です。
まとめ|高齢ドライバーの家族ができること
90歳で運転を続ける親を止めるのは決して簡単ではありません。
家族として声をかけ続けること
第三者の力を借りること
生活の代替手段を一緒に考えること
できることを一つずつ積み重ねるしかありません。
世間の声を知ることで背中を押される人もいるでしょう。
「一人で抱え込まないで大丈夫」ということをどうか忘れないでください。
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