「車にサンシェードを付ければ、夏の車内温度に違いはあるはず」
多くの方がそう思っているかもしれません。
ただ、実際にいろいろ試した結果わかったのは、サンシェードを付けても車内の温度を抑える効果はほとんどないという現実でした。
この記事では、サンシェードの本当の役割と限界、そして実際に「これは違った」と体感できた
現実的な2つの対策をお伝えします。
是非、今年の暑い夏にお役立てください。
サンシェードはどんな役割を果たしている?

サンシェードと聞くと、真っ先に「フロントガラスの直射日光を防いで車内の暑さを抑える」というイメージを持つ人が多いでしょう。
特にアルミ素材でできた反射タイプは「強い日差しを跳ね返してくれる」安心感があり、実際に多くの人が利用しています。
サンシェードが防げるもの・防げないもの
サンシェードは確かにダッシュボードやハンドルに直接あたる日差しを和らげてくれます。
これにより、ハンドルを握った瞬間の「あっつ!」という不快感が多少軽減されるのは事実です。
一方で、「サンシェードを使っても車内の温度がそれほど変わらない」と感じている方も少なくありません。
なぜか?
車が暑くなるのは、直射日光だけが原因ではありません。ボディーやガラスを通して熱が内部に伝わり、車全体が太陽の熱を吸収してしまう仕組みにあるからです。
ボディ全体が太陽の熱を吸収してしまう仕組み

車は鉄とガラスの箱のような構造です。
夏の直射日光を受けると、フロントガラスだけでなく、天井、側面の窓、ドア、床などの至る所から熱が侵入します。
特に天井は太陽に最も近く、熱を集めやすい場所です。
また、アスファルトの照り返しによる車体の下部から伝わる熱や、サイドウィンドウからの直射なども、車内温度の上昇に大きく影響します。
しかも、車は住宅のように分厚い断熱材が入っているわけではなく、ボディ全体が熱を伝えやすい構造になっています。
JAFの実験データからわかる「サンシェードの現実」

「そんなこと言っても、やっぱりサンシェードをつければ多少は違うのでは?」
そう思う方もいるかもしれません。
実際のデータ
JAFが行った炎天下の実験によれば、サンシェードの有無で
ダッシュボードの表面温度は多少下がったものの、車内の空気温度は50℃を超え、
サンシェードをつけても車内全体の温度変化はごくわずかという結果になっています。
出典:JAF「真夏の車内温度」
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/temperature/summer
サンシェードの「本当のメリット」とは?

サンシェードの価値は、車内温度を抑える魔法の道具ではなく、「部分的な熱対策」や「安心感」にあると言えるでしょう。
実際には、強い日差しを直接遮ることで、ダッシュボードやハンドルの過熱・劣化を防ぐほか、カーナビや樹脂パーツのダメージを防ぐ助けにもなります。
また、日焼けによる内装の色あせを抑えることで、愛車を長くきれいに保つことにもつながります。
「劇的な効果はない」と知っていても、気持ちの面での安心や「手軽にできる対策」として使う価値はあります。
実際に効いたと感じた2つの方法

①窓を少し開ける
完全に窓を閉め切った車内は、外気温よりもはるかに高温になります。
例えば真夏の日差しの中では、外が35℃でも車内は60℃以上に達することも珍しくありません。
少しでも熱気を逃す隙間を作ることで、車内の空気が循環し、熱がこもりにくくなります。
窓を開ける幅は2〜3センチ程度でも十分です。
開けすぎると防犯上リスクが増すので、
- 人の手が入らない程度
- 窓に雨除けのバイザーが付いていればより安心
など、状況に合わせて調整してください。
特に夜間や人通りの少ない場所では、窓を開けたままにしないなど、防犯対策は必須です。
②日陰に停める
どれだけ良いサンシェードを使っても、直射日光が当たる場所に停めれば車内温度は確実に上がります。
しかし、日陰に停めるだけで車内温度の上昇スピードは格段に違います。
例えば、
- 立体駐車場
- 建物の影になる場所
- 木陰
など、時間帯によって影が移動するので、駐車前に太陽の向きを意識するのもポイントです。
短時間の用事でも、直射を避けるだけでハンドルやシートの表面温度が全く違います。
また、ドアを開けた瞬間のモワッとした熱気も和らぐので、乗り込むときの不快感が減ります。
もし日陰が確保できない場合は、
- 車の向きを変えてできるだけフロントガラスに直射が当たらないようにする
- 木陰ができる時間帯に合わせて駐車する
など、工夫次第で暑さ対策になります。
グッズの多くは「気休め」

カーショップには様々な暑さ対策グッズがありますが、その大半は「やらないよりはマシ」程度だと個人的には思っています。
断熱カーテンや保冷剤なども試しましたが、それほど劇的な効果を感じられるものはどれもありませんでした。
窓やボディから伝わる熱が想像以上に強く、密閉空間ではすぐに熱気がこもってしまうからです。
SNSでも「結局はエアコン頼み」との声が多いです。
実際に外で車を使う人ほど、「便利グッズに頼るより、日陰を選んだり窓を少し開けておくほうがずっと現実的で効果的」と実感している人が多いのです。
SNSの声:真夏日の激しい暑さとサンシェード
ここからはSNSの声について解説していきます。
車乗るとき車内がサウナ状態になるからサンシェードをしてみた結果、、、
— TCG専門店👑コスモキング👑寝屋川店 (@Cosmo_Neyagawa) August 2, 2018
あんまりかわらん。 pic.twitter.com/8ZPyyBpt5T
見た目からすると、太陽光を反射して日射をだいぶ防いでくれそうに見えるのですが…実際の効果は「コレ、そんなに違う?」というのが率直な感想だと思います。
ドアを開けた時のサウナ状態は特に何も変わらず…というのは経験あるのでよくわかります。期待していただけに残念な気持ちになりますよね。
車にサンシェードつけてもイマイチ効果がないと思ったら。 https://t.co/wBaX39ouOP
— さんき (@sankinature) July 21, 2018
実際に使った人の声を見ると、サンシェードは思ったほど車内温度を抑えてくれるわけではないことがわかります。
ただし、ダッシュボードやハンドルの熱を和らげる効果は確かにあるので、「何もしないよりはマシ」と考えておくのが現実的です。
各地で真夏日との予報😓☀️
— JAF (@jaf_jp) June 25, 2018
JAFでは炎天下を想定し、"日なた"と"日陰"に分けて車内温度を計測https://t.co/qA08bFytN4
結果、日陰に駐車しても日なたと比べて車内温度(60分後)は7℃しか抑えられませんでした💦
日陰でも過信せず、お子さまやペットを車内に残したまま車から絶対に離れないで❗️ pic.twitter.com/IUKUaMxM26
JAFの検証では、炎天下でも日陰に停めるだけで、60分後の車内温度を約7℃下げられると示されています。
7℃と聞くと小さいと思うかもしれませんが、真夏日ではこの温度差がエアコンの効きやすさに大きく影響します。
ちょっとした手間で大きな効果が得られるので、真夏日は日陰に駐車するのがおすすめです。
まとめ:サンシェードは魔法の道具ではない
サンシェードは「車内温度を劇的に抑える魔法の道具」ではなく、あくまでも部分的な日差し対策であり、ダッシュボードの劣化防止や気持ちの安心をくれる存在です。
しかし、車内の熱気の多くは鉄やガラスを通じて全体に入り込むため、本当に車内の暑さを抑えたいなら、
- 日陰に停める
- 窓を少し開けておく
この2つが最も現実的で効果的です。
今年の夏は基本の工夫をしっかり押さえて、少しでも快適な車内をお過ごしください。