11月18日、日本代表は国立競技場で、FIFAランキング76位のボリビア代表と対戦します。
ランキングだけを見れば、力の差がある相手とのテストマッチという印象を抱くかもしれません。
しかしそのボリビアは、2026年W杯南米予選でブラジルを1–0で破り、大陸間プレーオフ進出を決めた実力者でもあります。
そんなチームとどう向き合うかを考えること、そしてピッチのどこに注目し、誰の動きを追うかを意識することで、この試合の景色はまったく違って見えてきます。
特に、欧州のトップリーグで名を挙げた選手がいるのか、それとも無名のタレントたちが組織力で挑んでくるのか、多くのファンが気になるところでしょう。
代表メンバーや所属クラブを知ることで、この一戦は消化試合ではなく、相手を理解したうえで楽しめる価値ある時間に変わっていきます。
11月18日の日本戦をより深く楽しむために、まずはボリビア代表の今と注目選手たちを一緒に見ていきましょう。


11月アジア遠征で日本と韓国を回るボリビア その狙いと位置づけ

11月の代表戦2試合のうち、日本は14日のガーナ戦に続いて18日にボリビアと国立競技場で対戦します。


一方のボリビアは、14日に韓国、18日に日本と対戦するアジア遠征を組み、大陸間プレーオフを見据えてアウェー連戦の感覚を試そうとしています。
短期間で異なる相手と連続して戦う今回のスケジュールは、移動やコンディション管理も含めて、本番さながらの負荷がかかる調整機会です。
日本にとっても、ガーナ戦に続くこの一戦は「結果よりも内容が問われる試合」であり、南米勢を相手にどこまで自分たちの形を出せるかが注目されます。
FIFAランキング19位の日本が76位のボリビアと戦う構図では、「勝って当然」という空気が流れやすく、そのぶん内容に対する評価はシビアになりがちです。
だからこそ、相手の狙いや遠征の背景をきちんと押さえたうえで、この試合をどう活かすかを考える視点が大切になります。
若手中心に再構築が進むボリビア代表 ビルガス監督が挑む世代交代

ボリビア代表を率いるオスカル・ビルガス監督は、長年ユース世代を指導してきた流れをそのままA代表にも持ち込み、若手を中心にチーム作りを進めています。
招集メンバーは10代から20代前半の選手が多く、平均年齢も20代前半と、南米の中でもひときわ若さが際立つスカッドとなっています。
以前のボリビアは、マルセロ・モレノのようなベテランFWに頼る時間が長く、「経験重視」の色が濃い編成が続いていました。
そこで協会は、次のW杯サイクルを見据えて思い切った世代交代に踏み切り、経験は浅くとも伸びしろのある若手に代表経験を積ませる方針へと舵を切りました。
ただし、ビッグマッチの経験値はまだ十分とは言えず、試合の入りやリード後の展開など、試合運びの安定感には課題が残ります。
一方で、運動量や球際の激しさ、ボールへの反応の速さといった部分ではベテラン主体のチームにはない勢いがあり、南米予選でも少しずつ存在感を示しています。
この若いチームの中から誰がエースとして点を奪い、誰が攻撃の中心を担っているのか、次のパートで具体的に見ていきましょう。
ボリビアの攻撃を支える主役たち テルセロスと中盤の司令塔を中心に解説

世代交代の渦中にあるボリビア代表にも、「点取り役」と「攻撃の軸」はしっかり存在します。
ここでは、南米予選で結果を残したエース候補と、10番や中盤で攻撃のテンポを担う選手たちに絞って、日本戦で注目すべきチームの顔を整理していきます。
若きエース・テルセロスが導くボリビアの得点力
21歳の攻撃的MFミゲル・テルセロスは、「ミゲリート」の愛称で親しまれており、主に2列目やサイドの高い位置からゴールに絡む役割を担っています。
2026年W杯南米予選では7ゴールを記録し、チーム内では頭ひとつ抜けた得点源として、ボリビアのプレーオフ進出を大きく後押ししました。
中でも、ブラジル戦でPKを決めた場面は、重圧の中でも冷静に決め切る勝負強さを見せたシーンとして現地メディアでも大きく報じられています。
細かいタッチのドリブルからのカットインや、ゴール前でのワンタッチシュートが持ち味で、FKやCKなどのセットプレーでもキッカーを務めることが多い選手です。
若くして出場試合数とゴール数を着実に積み上げており、「ボリビアが得点を狙うならまず彼が絡む」と言える存在になりつつあります。
日本としては、彼の判断の速さやペナルティエリア付近での鋭いシュートに細心の注意を払い、決定機を作らせない守備が求められます。
10番メルガルとビジャミルが作る攻撃のリズム
ボリビアで背番号10を託されることが多いカルロス・メルガルは、国内の強豪クラブ・ボリバルに所属する攻撃的MFで、トップ下から周囲を生かすプレーを得意としています。
ゴール数はさほど多くないものの、セットプレーのキッカーを務め、ラストパスを配るなど、攻撃のテンポを整える役割を担っています。
その一段後ろで中盤を支えるのが、エクアドルのLDUキトに所属するガブリエル・ビジャミルで、広い範囲を動きながら守備とビルドアップの両面に関与するセントラルMFです。
ビジャミルは、奪ったボールをシンプルに前線へと運ぶプレーを好み、メルガルやテルセロスらをスムーズに走らせるつなぎ役として機能しています。
この2人に加え、ボランチ陣が試合ごとに組み合わせを変えながら、中盤の運動量とバランスを補っているのが今のボリビアの基本形だと見ていいでしょう。
日本としては、テルセロスの警戒はもちろんのこと、10番と中央の司令塔がどこでボールを触り、どう攻撃を組み立てているのかにも目を配っておきたいところです。
ボリビア代表の所属クラブを調査 トップリーグ所属選手はどれほどいるのか

エースや10番の顔ぶれが見えてきたところで、次に確認しておきたいのが「どのクラブでプレーしているのか」という点です。
ここでは、欧州組と南米・国内クラブ組に分けて、ボリビア代表のクラブレベルでの立ち位置を整理しながら、「トップリーグで活躍するスターはいるのか?」というテーマに踏み込んでいきます。
欧州組は中堅リーグ中心 経験を積み成長する若手たち
まず欧州組を見ていくと、ボリビア代表には、
- センターバックのディエゴ・アローヨ選手(ウクライナのシャフタール・ドネツク所属)
- 右サイドバックのディエゴ・メディナ選手(ブルガリアのCSKAソフィア所属)
- 左サイドバックのロベルト・フェルナンデス選手(ロシアのアクロン・トリヤッティ所属)
などヨーロッパのクラブでプレーする選手が数人います。
ただし、所属先はいずれもウクライナ、ブルガリア、ロシアといったリーグで、プレミアリーグやラ・リーガのような欧州5大リーグのビッグクラブではありません。
それでも、各クラブで出場機会をつかみながら着実に力を伸ばす選手もいて、その中でもディエゴ・メディナは現地でレギュラーを争っています。
とはいえ、毎年チャンピオンズリーグで注目を集めるような「看板スター」とまでは言えず、欧州のトップレベルではまだ経験を積み重ねている途中の段階です。
攻撃陣にもラトビア1部・アウダ所属のエンソ・モンテイロのように欧州クラブでプレーする選手はいますが、名前だけで相手をひるませるタイプではありません。
つまり欧州組がいるとはいえ、ブラジルやアルゼンチンのようにビッグクラブの主力がずらりと並ぶわけではなく、中堅リーグや育成型クラブで成長を続ける選手たちが中心というのが実情です。
スター不在のボリビア代表を支える南米クラブ所属の中心選手たち
つぎに南米各国のクラブを見ていくと、
- ゴールキーパーのギジェルモ・ビスカラ選手(ペルーの名門アリアンサ・リマ所属)
- ミッドフィルダーのガブリエル・ビジャミル選手(エクアドルの強豪LDUキト所属)
- フォワードのミゲル・テルセロス選手(ブラジルのアメリカ・ミネイロ所属)
など、それぞれのチームで主力として起用されています。
彼らが所属するペルー、エクアドル、ブラジルのリーグは、リベルタドーレスやスダメリカーナに出場するクラブも多く、環境としては南米トップレベルに近い舞台です。
とはいえ、その中で毎シーズン得点王争いを繰り広げるような「大陸を代表するエース」は見当たらず、立ち位置としてはクラブの主力〜準主力クラスが中心と見てよいでしょう。
ボリバルやザ・ストロングエストなど、国内の強豪クラブからも多くの選手が選ばれていますが、こちらも国際的なネームバリューよりも、自国リーグでの信頼感が際立つタイプが大半です。
ボリビア代表のエース候補・テルセロスも、ブラジルで出場機会を増やしてはいるものの、リーグ全体を象徴するスーパースターとはまだ言えず、これから評価を高めていく段階の若手と言えるでしょう。
こうした背景を踏まえると、ボリビアは「ビッグネームの集合体」ではなく、各リーグで地道に経験を積んできた選手たちが集まる実直な代表チームとして、日本が向き合うべき相手だと言えるでしょう。
日本代表が警戒すべきは個ではなく組織 粘り強く挑むボリビアの戦い方

日本代表がボリビア戦でまず意識すべきなのは、とびぬけたエースの有無ではなく、スター不在でも11人でしぶとく戦ってくる「チームとしての総合力」です。
ボリビアは自陣にコンパクトな守備ブロックを築き、ボールを奪うと縦やサイドへ素早く展開して前線へ運ぶ、無駄のないカウンターを基本戦術のひとつとしています。
サイドやハーフスペースを起点に、圧倒的なスピードではなくとも、人数をかけてじわじわとゴール前へ迫ってくる形は、日本にとっても嫌なタイプの攻め方です。
セットプレーではセンターバックを中心に高さとフィジカルをぶつけてくるため、FKやCKの与え方やマークの受け渡しを疎かにすれば、内容で上回っていても一発でやられる危険があります。
守備では前から追い回すより、自陣に人をそろえて中央を締めてくる傾向が強く、日本としてはサイドチェンジやワンタッチ連携、エリア外からのシュートも織り交ぜて揺さぶりたいところです。
南米予選で強豪から勝点を奪ってきた背景には、「突出した個」ではなく、こうした現実的で粘り強い戦い方があると理解したうえで、11月18日はチームとしての狙いに注目して試合を観たいです。
まとめ:スター不在でも侮れないボリビア代表が示す南米の底力
ボリビア代表を掘り下げてみると、FIFAランキング76位という数字どおり、欧州5大リーグで名を馳せるようなスーパースターは見当たりません。
それでも南米予選では強豪国から勝点を奪い、国際舞台への切符を狙える位置につけている事実が、「格下だから安心」という見方の危うさを示しています。
エース候補のミゲル・テルセロスや、10番カルロス・メルガル、そして中盤の司令塔ガブリエル・ビジャミルらはいずれも、代表内で重要な役割を担いながらも、世界的にはまだ伸びしろのある選手という立ち位置にあります。
所属クラブや経験値の分布を見ても、ビッグネーム頼みではなく、南米や欧州中堅リーグで鍛えられた選手たちが支える実直な代表という印象が際立ちます。
日本にとっては「スターがいない=油断できる」ではなく、「誰が出ても同じ強度で向かってくるチーム」として、90分を通した集中力が問われる試合になるはずです。
11月18日の国立では、そうしたボリビアの現実を踏まえたうえで、自分たちの完成度と対応力を見つめ直す機会として、この一戦をしっかり味わいたいところです。

