空港や観光地で声をかけられる「白タク」。
一見すると料金も安く済みそうに思えますが、実は法律で禁止されている違法行為です。
利用すると料金トラブルや、事故時に十分な補償を受けられないなど、大きなリスクを抱えることになります。
さらに運転する側は「道路運送法違反」に問われ、重い罰則が科される可能性もあります。
本記事では、白タクの見分け方と利用するリスク、そして違反した場合の罰則についてわかりやすく解説します。
安心して移動するための代替手段も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
白タクとは？正規タクシーとの違い
白タクの定義（自家用車で無許可営業する行為）
白タクとは、営業許可を持たない自家用車を使って有償で客を運ぶ行為を指します。
道路運送法で定められた「旅客自動車運送事業」に該当するにもかかわらず、許可を得ずに営業するため「違法」とされます。
特に空港や観光地周辺で旅行者を狙って声をかけるケースが多く、料金トラブルや安全面のリスクが大きいのが特徴です。
正規タクシーや配車アプリとの違い
正規のタクシーは国や自治体から営業許可を受け、運転手は第二種免許を保持しています。
料金体系も運賃メーターで明確に表示され、利用者が不当に高額請求される心配はほとんどありません。
一方、白タクは料金が事前に決まっていないことが多く、トラブルの原因になりやすいです。
最近ではアプリ配車サービスも普及していますが、こちらも許可を受けたタクシー会社と連携して運行しているため、安全性と信頼性が確保されています。
白タクの見分け方！利用者が注意すべきポイント
車両やナンバーの特徴（緑ナンバーか白ナンバーか）
日本で正規のタクシーは「緑ナンバー」で登録されており、営業許可を受けています。
一方、白タクはその名の通り「白ナンバー」の自家用車を使用しているのが特徴です。
車体に会社名や営業標識がなく、外見は普通の乗用車に見えるため注意が必要です。
呼び込みや待機場所の不自然さ
空港や繁華街などで
「安く送りますよ」
「どこまで行きますか？」
と声をかけてくるのは白タクの典型的な手口です。
正規タクシーは駅や空港に専用のタクシー乗り場が設けられており、そこで整列して客を待つため、呼び込み行為をすることはありません。
不自然な待機や積極的な声掛けには要注意です。
料金体系の不透明さ
正規タクシーは運賃メーターにより料金が自動計算されますが、白タクは料金を事前に提示せず、降車時になって初めて請求されるケースもあります。
特に旅行者や外国人観光客が狙われやすく、言語の壁を利用して不当請求される例もあります。
料金が曖昧なまま乗車するのは大きなリスクにつながります。
白タクを利用するリスク
料金トラブル・ぼったくり被害
白タクの大きなリスクの一つが料金トラブルです。
正規タクシーのようにメーターがなく、相場も決まっていません。
料金は運転手の裁量で自由に設定されることが多く、その分だけ利用者が不利な立場に置かれやすいのです。
その結果、目的地に到着してから想定外の料金を請求される恐れがあります。
事前に料金を伝えられても、実際には追加費用を要求されることもあります。
観光地や空港では特に旅行者が狙われやすいので注意が必要です。
事故時に補償が不十分となる可能性
白タクは営業許可がなく、自家用車の保険しか加入していないケースが多いため、事故に遭った場合に利用者への補償は十分に受けられない可能性があります。
正規タクシーは旅客運送用の保険に加入しており、万一の事故にも備えられていますが、白タクでは治療費や損害賠償を自分で負担する可能性が高いのです。
白タクの罰則は？運転する側に課せられる処分
道路運送法違反（3年以下の懲役または300万円以下の罰金）
白タク行為は「道路運送法」違反にあたり、処罰の対象となります。
具体的には、無許可で有償運送を行った場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。
悪質と判断されれば、懲役と罰金の両方が科されるケースもあります。
無免許運転としての処分（第二種免許がない場合）
旅客を運送するには、タクシーやバスと同じく第二種運転免許が必要です。
白タク運転手はこれを持たないことが多く、摘発されると無免許運転として処罰されます。
この場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科され、違反点数は25点（免許取り消し・欠格期間2年）という非常に厳しい処分となります。
車両没収の可能性や社会的信用の喪失
白タクで使われた車両は証拠物件として押収されることがあり、最終的に没収される場合もあります。
さらに逮捕や書類送検の報道により、社会的信用を大きく失うリスクも無視できません。
特に副業感覚で行った場合でも、経歴に大きな傷を残すことになるため、安易な気持ちで手を出すのは非常に危険です。
空港や観光地で安全に移動するための方法
正規タクシーの見分け方（緑ナンバー・タクシー会社名の表示）
日本の正規タクシーは「緑ナンバー」で登録されており、車体には会社名や営業許可を示す表示があります。
空港や駅には必ずタクシー乗り場が設けられており、そこで待機する車両はすべて正規タクシーです。
呼び込み行為をしていないことも特徴のひとつで、安心して利用できます。
配車アプリ（GOやS.RIDE）の利用
近年はスマホから簡単に呼べる配車アプリも普及しています。
「GO」や「S.RIDE」などのサービスは、正規のタクシー会社と提携して運行しているため安全性が高く、料金も事前に確認できるケースがあります。
アプリを使えば、ぼったくりや不透明な料金トラブルを避けられるのが大きなメリットです。
定額制の空港リムジン・シャトルバス
羽田や成田など主要空港からは、都心や主要エリアまでの定額シャトルバスやリムジンバスが運行されています。
料金は事前に決まっており、荷物が多い場合やグループでの移動にも適しています。
時間が合えば鉄道より快適で安心な移動手段となるため、観光客や出張利用者にもおすすめです。
まとめ：白タクの安さに惑わされず、安全な移動手段を選ぼう
白タクは「安く行けます」といった言葉で利用者にアピールしてきますが、実際には法律で禁止された危険な行為です。
利用すれば料金トラブルや事故時の補償なしといった深刻なリスクに直面し、運転する側も重い罰則に問われます。
空港や観光地で声をかけられても安易に応じず、緑ナンバーの正規タクシーや配車アプリ、シャトルバスなど安全な移動手段を選ぶことが大切です。
安心して旅や日常を過ごすためにも、白タクの見分け方とリスクを正しく理解して、トラブルを未然に防ぎましょう。
