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逆走者はなぜ止まらない?高齢化・認知症だけじゃない意外な真相とは

逆走者はなぜ止まらない?高齢化・認知症だけじゃない意外な真相とは

「なぜ逆走車は止まらないのか?」

そう感じたことはありませんか?

特にニュースなどで、明らかに逆走している車がそのまま走り続け、重大事故につながる様子を目にするたびに、どうして止まらないのかという疑問と、強い不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、逆走車が止まらない理由について「高齢化や認知症」といった、よく知られた原因だけではなく、あまり知られていない“意外な背景”まで含めて、実例とともに解説します。

この記事を読めば、単なる事故報道では見えてこない“逆走の真実”が理解できるはずです。

逆走しても止まらない「本当の理由」

結論から言えば、逆走車が止まらない理由は、

「気づいていない」
「混乱している」
「構造的な問題がある」

など、複数の要因が重なっているからです。

気づかずに逆走しているケースが多い

国土交通省の調査(※)によると、高速道路で逆走事故を起こした運転者のうち、実に7割以上が「逆走していると自覚していなかった」とされています。

また、高速道路で逆走を起こしたドライバーのうち、約7割が65歳以上の高齢者で、そのうち認知症の疑いがある人が12%というデータもあります。

さらに、逆走を「認識しないまま進んだケース」は全体の26%を占めており、その約9割が高齢者だったことも報告されています。

このように、逆走事故の多くは高齢ドライバーに集中しており、「自覚のなさ」が大きな共通点となっているのです。

特に次のような状況では、逆走に気づかないまま走り続けてしまうケースが多く報告されています。

  • 夜間や雨天で視界が悪い
  • 標識や進入禁止表示が見えづらい、または見落とした
  • インターチェンジやSA・PAなど、出入り口が複雑で間違えやすい

こうした条件が重なると、自分が間違った方向に走っているという認識が持てず、止まる判断すらできないまま進み続けてしまいます。

パニック状態や混乱による判断力の低下

一方で、「逆走している」と気づいたとしても、すぐに止まれるとは限りません。特に高齢者の場合、

  • 慌ててしまい、どうしていいか分からなくなる
  • 「とりあえず進めば元に戻れる」と思い込み、走行を続けてしまう

といった心理状態に陥りやすいといわれています。

また、逆走による緊急事態に直面すると、冷静な判断ができずに「止まる」ではなく「逃げる」「突き進む」といった反応を取ってしまうケースもあります。

故意による逆走や逃走中のケースも存在

一部では、逆走が「意図的」である場合もあります。

たとえば、

  • 警察からの逃走中
  • 無免許や飲酒運転による逃避行動
  • 自暴自棄になって逆走を選ぶ心理的ケース

などが該当します。

実際、東名高速道路や関越道などでの重大事故の中には、意図的に逆走していたと判明した事例も存在します。
※東名高速で“故意と判断”された逆走事故(2017年12月14日)
※関越自動車道で”意図的”な逆走事故(2025年5月24日)

構造的な問題や標識の不備

逆走の要因には、道路構造やインフラの問題も関係しています。

  • 出入口が似た構造で、進入禁止と気づきにくい
  • 一部の地方道では標識が不十分

こうした「仕組みとしての不備」も、逆走が止まらない理由の一因です。

実際の逆走事故の事例

たとえば、2021年に起きた関越自動車道での事故では、80代の高齢者が約5kmにわたり逆走し、正面衝突で2人が死亡しました。

このケースでは、運転者本人が「どちらから入ったか覚えていない」と話しており、認知の問題とともに事故直前の混乱が見て取れます。

また、2025年5月には新名神高速道路(三重県亀山市〜鈴鹿PA付近)で、ある車両が逆走状態のまま約10kmにわたり走行し、複数の車両が巻き込まれる多重衝突事故が発生しました。

監視カメラ映像には、逆走車がワイパーやパッシングなど“意図的とも思える行動”を繰り返す様子が記録されており、運転者はそのまま現場から逃走したと報じられています。

現在、警察が運転者の特定と事故の経緯について捜査中です。

このように、逆走に「気づいていない」だけではなく、気づいたあとも正常な判断力の欠如による「止まらない」要因が重なっていることが分かります。

なぜ逆走防止装置は普及しないのか?

近年、ETCゲートの逆走検知センサーや道路の逆走警告装置の導入が進んでいますが、まだ一部にとどまっています。

普及が進まない背景には、以下のような課題があります

  • 設置コストが高く、すべての出口・入口に対応できない
  • 高速道路以外の一般道では、検知や警告が難しい
  • ドライバー側の受容性(警告を無視するケース)がある

制度としての整備が進んでいても、現実には「物理的に止められない」状況が続いているのです。

逆走車が止まらないリスクと、私たちができる備え

逆走車が止まらないのは、“当人の問題”だけではないことが分かります。

では、私たち一般ドライバーはどのように備えればいいのでしょうか?

1. 夜間や早朝の高速道路では特に注意

逆走事故の多くは、夜間・早朝に集中しています。特に交通量が少なく、視認性が悪い時間帯は危険が高まります。

2. 車間距離を十分にとる

前方に不審な動きの車両が見えたとき、すぐに対応できるような距離感を保つことが大切です。

3. 見通しの良い場所でも油断しない

「ここで逆走車は来ないだろう」と思いがちな道でも、100%安全とは限りません。油断せず、常に周囲を観察することが重要です。

4. 高齢の家族や知人には、定期的な運転適性の確認を

認知症の初期症状や注意力の低下は、家族でないと気づきにくいものです。

「最近、道をよく間違える」
「運転が怪しくなった」

と感じたら、早めに声をかけましょう。

まとめ:逆走車が止まらないのは、単なる不注意ではない

逆走車が止まらない理由は、単なる高齢者の認知ミスや運転ミスだけではなく、

  • 自覚のないまま走り続けてしまう心理
  • パニックによる判断力低下
  • 意図的な逃走や自暴自棄
  • 道路構造や標識の不備
  • 防止装置の不十分さ

など、多くの要因が重なって起きている“複雑な現象”です。

事故を未然に防ぐには、「逆走=ありえないこと」と考えるのではなく、日常の中で想定して備える姿勢が何より大切です。

そして、自分自身や家族が“加害者”にならないよう、日々の観察と声かけを欠かさないことも重要です。

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